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「お姉ちゃん、その人達に騙されてるんじゃないの?」
「そんなことをして、あの人達になんのメリットがあるのよ」
侮蔑の表情を浮かべた。
「お姉ちゃん、いつも変な匂いするし。占いって言って、その先生、変な薬でも使ってるんじゃないの?」
姉の言動にカッとなって思わずそう叫んでいた。
「そんなわけないでしょ。サロンには社会的地位のある人だっているのよ」
「そういう人が禁止薬物で捕まってるじゃない! お姉ちゃんが捕まったせいで私の高校受験ダメになったら嫌だからね!」
ほとんど言いがかりだ。姉の怒りや悲しみの混じった表情を見て、瞬時に殴られると思った。
「ーー主人公の馬鹿な妹としては完璧ね」
吐き捨てるように言って家を出て行った。
それから、一週間後に姉は帰って来て、しばらく占い師の自宅に住まわせてもらうと母に話すのをリビングの隅で聞いていた。
「言っとくけどあんたのせいじゃないから。今まで通り雑用しながら就職活動するの。先生もみんなもアドバイスは惜しまないからって」
「それなら自宅にいたって出来るじゃない」
母が姉に懇願するように言った。
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