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姉は大学生になっても主役癖は消えず、いつも見えない何かと戦っていた。ある日、大学の講義を終えた姉が頬を紅潮させて帰って来た。
「どうしたの、何かあったの?」
姉はやけに嬉しげに頷いた。
「今日、駅前で手相占いしてもらったらさ、なんと私は教祖や革命家に向いてるんだって」
姉はいつも以上に芝居がかっていた。
「なにそれ、怖っ」
ふふんと鼻で笑い、私を高圧的な目で見下ろした。
「本気にしてないよね?」
姉はソファーにドスンと座り足を組んだ。
「ーー私はやっぱり特別な人間なのよ」
「特別って……」
正直、ここまで姉がこじれているとは思わなかった。
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