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「お姉ちゃん、その占い師のこと信用して大丈夫なのかな? だんだん洗脳されて監禁されちゃうって噂だよ」
「ネットの噂を信じてるわけ? 私は占いの先生のお家に行って、掃除とか色々な雑用のお手伝いしているだけ。ちゃんと家に帰って来てるでしょ? それに、一流企業に勤めている人もいて、とっても勉強になるんだから」
確かに週末、朝早く出掛けて行くが、夜には必ず自宅に帰って来た。ただ、不思議なお香の匂いをつけて来るのがあまり好きではなかった。
「でもさ、占いだってお金かかるでしょ? アルバイトだってそんなにしてないのに大丈夫なの?」
「あんた、お母さんみたいね」
占い師のホームページをこっそり見たら、占いの種類にもよるが、一時間ごとに三千円の料金が発生する。
「それはお店の場合ね。今は先生の自宅で占ってもらってるから無料なの。でもそれだと申し訳ないから雑用してるのよ」
そういう善意につけ込まれているのではないかと不安になった。
「でも、朝から夜までって結構拘束されてるじゃない」
「ーーそれは、さっきも言ったでしょ。色々、勉強も兼ねてるからなの」
「色々って? お姉ちゃん、占い師になるの?」
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