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駿佑
線香花火が落ちる前に、俺は告白する。
最後の一本になった。
火をつけて、そっと線香花火を持つ。
俺の手は震えていた。
俺の向かいには、かわいい美和子がいる。
美和子も線香花火を手に持っている。
ちりちりちりちり……
線香花火はかすかに音を立て、火花を散らしている。
夏は終わってしまう。
この火が落ちる前に、俺は美和子に告白するんだ。
ちりちりちりちり……
俺は呼吸を整える。
ちりちりちりちり……
線香花火は今にも燃え尽きそうだった……
俺は意を決し、美和子の顔を見つめる。
「俺と付き合ってください」
美和子は言った。
「はい。よろこんで」
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