3日目。

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(蘇える死者、自殺する者、眠る者、凶暴化する者……) 《生命の本質に関わる地球の脳波が変わる以上、我々人類に対する影響も計り知れない》 (全て、あのページに書かれていた影響だとしたら……)  統也は日夏の背を摩りながら、岩屋を窺う。 『岩屋サン、あのホームページに書かれていた内容、覚えてますか?』 『あぁ。自然環境研究所ってのにあったヤツか?』 『そ、それ、僕も見ました! 生き抜きたければ頭を使え、って! あれは統也サンが書いたんですよね!?』 『えぇ?』 『だって、言ってくれたじゃないですか、駐屯地で! だから僕、絶対 生き抜こうって思えたんです!』  怯えて蹲る日夏を、統也はそう言って叱責した事を思い出す。 然し、あれはネット掲示板からの受け売りだ。 『いや、あれは違うよ、日夏。俺もネットの掲示板を見ただけで、』 『そ、そうなんですか?』 『ごめん。まさか、そんな誤解をされるとは思わなかったから』 『そっか……何だ、そっか…… 僕、あれに勇気を貰って自衛隊まで行ったんです…… もしかしたら釣り何じゃないかって怖かったけど、信じてみようって……」  日夏は又も項垂れる。 期待に応えられずで申し訳ないが、違うものは違う。 (生存者にすら襲われて怖い思いをしたのに、俺が書いたメッセージを信じてくれた。それもこれも全部、あの言葉が日夏に勇気を与えた……) 『あれを書いた人は、今どうしてるんだろう?』  統也が呟くと、日夏は颯爽と立ち上がって机上のパソコンに向かって腰を下ろす。 『僕、調べてみます!』 『オイオイ、いきなりやる気になったのかぁ? 靖田君、キミ、情緒不安定だな』 『岩屋サン、そんな言い方は無いでしょう、 でも日夏、俺も あのサイトは見たけど、ただ個人的な考えが書かれてるだけで、書いた人については一切 触れられて無かったと思う』 『はい。でも、ホームページを作るならアカウントは必要ですよね? そこから個人情報を覗けば、何処の誰かは直ぐに分かりますよ?』 『個人情報って……そんな事、出来るのか?』 『はい。僕、コンピューターオタクだから。そうゆうのは得意なんです』 『ハッカー!?』 『そうゆう言い方もありますね』  人には意外な特技があるものだ。 日夏が内向的でインドア派だろう事は想像つくが、それが高じてハッカー技能を身に付けるに至るとは思いもしない。 まるでピアノの鍵盤を連弾する様にスムーズに早く、日夏の指はキーボードを叩く。 そして、最後にエンターキーを押すと画面は切り替わり、製作者の情報が表示される。 『はい、クリア!』 『す、すご……』  これには岩屋も立ち上がり、興味深げに画面を覗き込む。
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