3日目。

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大川(おおかわ)由月(ゆづき)……女の人だな』 『最後のアクセスは葉円成都(ようえんせいと)大学、時間は昨日の10時…… 異変が起きて暫く後ですね。きっと、そこに通う生徒サンか先生か……』 『そ、そんな事まで分かっちゃうのか……』  このネット社会、日夏の様なハッカーの手にかかれば全ての情報が丸裸にされる事を知る。 『葉円成都大って、Y市にある大学ですよね?』 『そういやぁ、Y市にも自衛隊があったよなぉな…… うーん、ついでなら行ってみる価値はあるかも知れないなぁ、どうする? 水原君、靖田君』 『行きたいです! 僕、行きたいです! ここに行けば由月サンに会えるかも! このおかしな現象を解決してくれるかも知れません!』  日夏は大川由月と言う人物に大いなる期待を寄せている。 ホームページに書かれた持論は飛躍した発想だとは思うが、これからの事は何も決まってない。 小さな望みでも無ければ進めないから、日夏の熱意に岩屋は頷く。 『よし。だったら明日、朝一で出よう』 『はい!』 『その代わり!』  ここで岩屋は口調を改めて言うのだ。 『車を運転するのは俺だ。 その車に乗る以上、お前達の命を俺が預かる事になる。 だから、俺の許可無く勝手に動くんじゃねぇ。特に水原君だ! 分かったな!? 絶対にだぞ! でなきゃ車には乗せてやらねぇからな!』  絶対命令に絶対服従。 頼みの綱である岩屋の機嫌を損なわせる訳にはいかない。統也と日夏は渋々と頷く。  こうして現在に至り、統也は早速、岩屋に手痛い1発をくらった訳だ。
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