白無垢の彼と赤鬼青鬼との初夜①

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白無垢の彼と赤鬼青鬼との初夜①

昔、村には赤鬼と青鬼がいたそうな。 人を襲ったり食ったり犯したりはしなかったが、備蓄の食料を丸飲みしたり、畑を荒したり、家などの建物を壊したり、祭りで暴れたりして、ワルサばかりしていた。 いくら、直接、人に手だししないといっても、巨体にして怪力の鬼に、だれも物申せず、手だしもできず。 が、ある日のこと、畑の土を作物ごと掘りかえしていたところ「恥ずかしくないのか!」と叱りつける青年が。 「力ある者は弱き者に手を差し伸べるべきで、こうして自分の気まぐれにムダづかいをするなど、ただただ愚かしく恥ずべきことだ!」 彼は両親を亡くし、叔父をたよって村にきたばかり。 鬼のことは聞かされていたとはおえ、初対面でコワがるよりも、叔父が懸命にたがやした畑が台なしにされ、怒り心頭になったらしい。 もともとコワいもの知らずな性分でもあったのだろう。 それにしても、命知らずだったが、赤鬼と青鬼は逆上しなかったどころか「なんと人のくせに生意気な!」と痛快とばかりに笑って、感心をしたようで。 以降、鬼たちはワルサをしなくなり、青年に云われたように、その頑健な体でもって、村の役にたち、人人を救うようになり。 かつて怯えるばかりだった村人たちは、しばらくもすれば、鬼の働きをありがたがり、崇めるようにもあり、神社を建てたなら「鬼神」として祀りあげた。 ところで、あの青年といえば、すっかり赤鬼と青鬼と親しくなり、ついには恋仲にまでなって婚姻を結ぶことに。 式をおこなってからは、村人が建ててくれた家で、三人仲睦まじく生活をしたものの、もちろん、先に青年の寿命が尽きてしまい。 先立たれるのは分かっていたこととはいえ、悲しみに打ちひしがれた鬼神たちは、どんどん。 「わたしたちがあの世へいっても、村のことは永遠に見守ろう」と遺言をのこし逝去。 なんてイイツタエがある地域だけに、年に一回、かの青年が結婚したときと同い年の男が、鬼神にささげられるという儀式があった。 まあ、といって、イケニエ的にではなく、いつも村を見守ってくださる鬼神さまへの感謝の印というか。 青年と婚礼の儀をし、初夜を迎えた、人生のシアワセの絶頂期を再現してあげるのだ。 で、今年の鬼神さまの花嫁に選ばれたのは俺。 どういう基準か知れないとはいえ、神主にご指名され、オシロイをはたかれ白無垢を着せられて、今は儀式の真っ最中。 盃の酒を三口飲み、隣に差しだすも、受けとるのは神主。 そりゃあ、とっくにあの世にいった鬼神はいなく、霊的な存在として見えるわけでもない。 歴代の鬼神の花嫁に話を聞いたが、口をそろえて「べつになにも起こらなかった」と。 あくまで形式的なものだから、未婚の男にして、鬼神の嫁になるのも、ほんらいなら巨根の餌食になるだろう初夜を迎えるのも、べつに抵抗はなく。 粛々と儀式が執り行われるのを、真面目くさってこなし、さて、夜になって一人神社にのこされた。 被りもの、角隠しを外して、白い着物を身につけたまま、布団で一晩寝ればオワリ。 神社には電気が通っていなく、カンテラを消すと真っ暗だったなれど、ホラーに耐性がある俺は平気。 まあ、着つけをてくれた爺さんが「いくらでも皺にして、鬼神さまにヨゴされてもかまわぬからな」とにやにやしたのを思いだすと、悪寒がするとはいえ「とっとと寝て、とっとと朝を迎えよう」と掛布団にくるまったのだが・・・。 神聖な儀式をしているというに、股間が熱く疼いて「は、はあ、はあう・・・」と腰をゆらゆら。 別れた彼女とよろしくやっている夢かと思いきや、チンコにねちょねちょと触手がまきついているようで「いや、ちがう!」と瞼を跳ねあげた。 まっ先に目にはいったのは、白い着物の裾を広げ、御開帳した足。 その太ももを抱えこむ、足より肉付つきのいい赤い腕。 股間がなにかに覆われ、ぷちゅぷちゅしゃぶしゃぶ水音が立つに、フェラをされているのだろうが、暗くて頭は見えない。 赤い腕はくっきり浮かびあがっているというに。 おそらく巨大な口が丸丸飲みこみ、すさまじい吸引力で絞めつけつつ、肉厚な舌をねっとり絡ませているのだろう。 元カノのフェラでも本番でも味わったことのない超越した快感に「はあん、あう、あん、あん、ああん・・・」と無抵抗にだらしなくヨガってしまう。 と、股間のしゃぶりつきに気をとられていたら、乳首を爪で引っかかれて「はあ、くう!」とびくんびくん。 いつの間にか、着物の衿を肌蹴させられ、青い手が胸を揉むようにし、指で突起をくりくりして。 膝枕されているようなれど、やっぱり青い腕の途中までしか見えず、胸元や顔は闇に溶けている。 股間を貪るようにむしゃむしゃするのと、太い指で乳首をちまちまイタズラする、その正体はきっと赤鬼と青鬼、鬼神たち。 とはいえ、肉体が滅んで、魂も完全体でとどまっていないせいか、闇夜にまぎれて、体の一部分しか覗かせていないよう。 それがオソロシイような「ふああ、あん、鬼神さまあ・・・」とぞくぞく興奮するような。 でっかい喉に飲みこまれそうに、ちんこを吸われる一方で、乳首のほうは、太い指の先で細細とつついたり、爪先でなぞったり。 悶えてたまらないのと、もどかしいのと愛撫の落差があるのが、これまたイジワルのようで「くう、はうあ、や、やあん・・・!」とウレシソウに鳴いてしまい。 「あ、あ、あ、あん、はあん、鬼神、さまあ、お、やめ、おやめ、をお・・・!や、やらあ、俺の、おちんち、熔けちゃ、ひゃあん!や、やあ、だめ、きじ、さまあ、胸、そんな、強く、んあ、あう、ああう!は、はあ、はうあ、おちん、ちんも、舌、しゅごお、あん、あん、あはん!同時、や、やん、やだあ、も、俺、おれえ・・・!」 噴火するように熱が体内で弾けて、たまらずに「くああああー!」とどっぴゅう! 息つく暇もなく一気飲みするように、ごくごく喉を鳴らされ「イッて、るの、にい!」とあんあん腰を跳ねて。 一滴ものこさず精液を飲みつくされて、足を抱いていた赤い腕も、胸をこそがしていた青い腕も、一旦、闇に引っこんだ。
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