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探偵は俺と×××しないと推理ができない①
会社の汚職事件に巻きこまれて、責任と罪を背負わされ切りすてられた俺は、社会に絶望してホームレスに。
冬の骨まで凍えるような日、公園の藪のなかで、死にかけのように寝ていたら「あれ?花山じゃないか?」と声をかけられて。
高校の同級生で、名はたしか住原。
俺の惨めな境遇について、とくに聞いてくることなく「いやあ、ちょうどよかった」とある話を持ちかけた。
「今、急募で助手を探しているところだったんだよ。
事務所で住みこみしていいから、花山、暇そうだし、やってくんない?」
「暇そうだし」の一言で片づけられたのが、かえってせいせいして首肯。
事務所にいき、シャワーを浴びて落ちついてから知ったことには、住原は探偵業をしていると。
しかも主にラブホで起こる事故や事件を扱っているらしい。
ラブホでは日々、なにかしらのトラブルが発生。
個人的なものならともかく、裏社会の人間がいり乱れての諍いや陰謀もあるから、対処が一筋縄でいかない。
そこで、警察に連絡していいのか否か、判断材料にするため。
知らせるにしろ、警察に介入されてはメンドウなことを、先に処理したいがために、探偵こと住原に事故事件の全容を調べて解明してもらうのだとか。
そして、助手たる俺の仕事は、事務所の管理と、電話番や書類整理などの事務仕事に加えて、ラブホに同行して住原の手伝いをするというもの。
住原に拾われてから一週間、ブナンに事務所内での仕事はこなしていたものの、とうとうラブホからの依頼が。
はじめて探偵助手として出向き、扱うのは、いきなりの人死の事件か事故。
オーナー曰く、部屋のバスタブで、泡まみれに女の人が倒れていたとのこと。
額がへこむほどに、頭を強打して死んだらしく、相手の男は逃亡済み。
ホテルの監視カメラの設置数はすくなく、不明慮な映像では、男が正体不明とあって、個人のトラブルか組織の揉めごとの一端か、判断しきれず、住原に助けを求めたとのこと。
といった依頼内容を聞きながら、ホテルについてきて、生まれて初めて葬式以外で死体を見るのに、緊張していたのが。
部屋のまえに着くと「だいじょーぶ現場検証は俺だけがするから」と俺は廊下に置きざり。
そりゃあ、見ないでいいなら、それに越したことはないが「だったら、なんの助手だ」とどこか釈然とせず。
所在なく待つこと三十分、ドアを開いて顔をだしたものの、調査結果を口にしないで「きて」と顎をしゃくり、隣の部屋へ。
壁に穴でも開いていたのか?と思いきや、早早、服を脱ぎだし「今から再現するから」と。
探偵ならではに、状況や証拠を見て推理するだけでなく、当事者の真似をして、実験的に検証するらしい。
「いや、そんなの聞いていないぞ」と眉をしかめたものの「なあんてな!」とからかうことなく「花山は女役な」と大真面目な顔をして催促。
断ったら、事務所を追いだされるのかな?
一週間、事務所に住んで、すっかり居心地のよさを覚えたからに、極寒に震えるホームレス生活にあともどりするのは、気がすすまない。
「まあ、男同士だし、あくまで検証なのだから、フリだけだろう」と従うことに。
全裸になって、白い煙がもうもうと立ちこめるユニットバスへと。
バスタブの栓を開けつつ、シャワーをだしっぱなしにしているのは、当時の現場の状況と同じにしてのことだろう。
カーテンを開けたまま、ついでにシャワーを浴びている住原は「これ、体の前面に塗って」とボディソープを差しだした。
曰く「体同士こすり合わせながら洗うやつで、死んだ彼女に使った形跡があったから」とのこと。
「え、なに、俺がこれを塗りつけた体で、おまえの背中を流すのか」を頬を引きつらせるも「そうだよ」と下心も他意もなさそうに、いけしゃあしゃあと。
「じゃなきゃ、検証する意味ないじゃん」と非協力的なのを訝しむほどで、真摯に調査をする態度がぶれないのに対し、俺だけが顔を赤くしたり青くしたり、アホらしくなってくる。
本気も本気で真相を解明するつもりがあるのか?
迷探偵ぶりが、ここまでフザケていると「どうやって仕事をして決着をつけるのか」とむしろ興味がひかれて、バニラの香りがするボディソープを胸から腹にかけて塗りこむ。
指示をしてからは、シャワーを浴びて見向きもしない住原に、舌打ちしつつ、バスタブへと踏みこんだ。
もしゃもしゃ頭を洗っているのを、開いたわきの下から腕をいれて抱きしめ、背中に胸と腹を密着させ、ぬるぬる開始。
なるほどエッチ用品とあって、ふつのボディソープより粘着質で、頭がくらむような匂いがし、いかがわしい響きの水音が立つ。
男同士のごつごつした体の摩擦がやわらいで、ほどよい滑りと刺激が。
「は、ん、く・・・・」と早くも息が切れてきたのは、シャワーの蒸気の熱さや、ボディソープのアヤシイ成分のせいだけではない。
会社に入社してから三年間、ずっとゴブサタだったものだから、久しぶりに人肌と触れあって、ついつい気が高ぶってしまい。
相手が住原だろうと、抱きしめるのがムサクルシイ男の体だろうと、いや、だからこそ、乳首が固い背中にぬりゅぬりゅ擦れるのが「はう、あ、あふ、ああ・・」と具合がよろしい。
「飄々としやがって、鼻を明かしてやる」とはじめは意気ごんだのが、唇を噛みつつも、ぬっちゃあ、ぬっちゅあ、ぬっちゃあ背中を洗うのに没頭。
住原が身じろぎして「うーん、やっぱ、この体勢じゃあムリだなあ」と呟いたのに、我に返ったところで、勃起を自覚。
「住原を困らせるどころか、俺一人盛りあがってどーするよ!」と焦るやら、恥ずかしいやら。
ばれる前にひっこめようとする暇はなく「じゃあ、コンドはまえで」と住原がふりかえり、向きあうことに。
頬を火照らせて、股間を隠そうとし「いや、湯気で見えないか」ととどまる。
タシカメるため、まず住原のに目をやれば、白いもや越しに、そそり立った男根のシルエットが透けて見えて。
「おおおおおい!探偵さんよお!なんで、やる気満々になってんだよおおお!」
自分のことを棚にあげて、悲鳴をあげてツッコむも「だから、再現するつってんだろ」とウットウシそうに返され「ほれ、早く」と抱きよせられる。
再現といったって、まさか本番までなだれこむつもりか!?
こいつ、ホテルで調査するたびに、本格的再現エッチしてんの!?男相手でも!?
「イカレテいる!」と突き放したかったものを、ボディソープでつるつるして、ままならず。
そもそも、勃起がばれたくなくて、腰を引いて、不安定な体勢になっているから、力がこめられないし。
いやいや、相手が最後までするつもりだろうと、ラブホで住原とちんこをくっつけて抜くなんて、御免だっつうの!
そう心の叫びをあげながらも、ボディソープのせいでバスタブの床は滑りやすく、ころばないよう踏んばるのに精いっぱいで、怒り全開にクレームする余裕はなく。
「ともだチンコをするよりはマシだ」としかたなく、住原に抱きついて胸を合わせ、でも、背中のように、せっせと洗おうとせず。
焚きつけて、ホンロウしようなんて、ムキに張りあうのはやめやめ。
全身全霊で非協力的な姿勢を示し「こいつ、つかえないな」と呆れさせアキラメさせる作戦にシフト。
早くも効果てきめんか、住原はため息をついたものの、直後には「ひああっ・・・!」と悲鳴をあげさせられて。
首から背中に指を滑らせ、そのまま尻の奥にもぐりこませやがったのだ。
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