7話 速水さんとセクシー美女?

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廊下の突き当りのドアの先は広々としたLDKになっていた。全部で20帖と聞いてびっくり。もう軽くいくちゃんの部屋の二倍はある。いくちゃんの所も広いと思ったけど、速水さんの所も広い。大人の男の人って一人でこういう所に住めちゃうの? 散らかっていると言っていたけど、私の目には片付いて見える。リビングには大きな本棚とオレンジ色のソファとお洒落なローテブルとテレビがある。インテリアは明るい雰囲気で、初めて来たのに居心地がいい。 「いいお部屋ですね」 カウンターキッチンでレジ袋から食材を取り出している速水さんに言った。 「ありがとう。一人で住むには広いんだけどね。実はここ、元々は姉夫婦が住んでいたんだ。カナダに転勤中で、部屋が空くから住んで欲しいと頼まれてね。家賃も相場の半分でいいと言われて、お得だったから借りる事にしたんだ」 速水さん、お姉さんがいるんだ。 「本当、広いですね。お部屋もいっぱいありそう」 廊下を通った時、ドアが沢山並んでいた。 「4LDKだよ。さすがに一人じゃ使いきれなくて」 「じゃあ、お部屋空いてるんですか」 「空いてるよ。偶に卓也が泊まりにくるよ」 タクヤ君、来るんだ。お友達だもんね。 「じゃあ、私も泊まりに来てもいいですか?」 「えっ」 手を止めた速水さんがこっちを見る。 「ダメだよ。一人暮らしの男の家に女の子が泊まったら」 普通にいくちゃんの所には泊まるけどな。 友達なら泊まっていい気がするけど。 「どうしてダメなんですか?」 「どうしてって……あ、もう六時だし、お鍋作る?」 速水さんが慌てたように言った。 速水さん、お腹すいたのかな?
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