8話 タクヤ君のスキャンダル

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『美樹ちゃん、何かあった?』 電話越しに響いたいつもよりハスキーな速水さんの声にびっくりした。 「速水さんこそ、その声どうしたんですか!」 『声、そんなに酷い?』 「もしかして風邪ですか? 熱があるんですか? 苦しいですか?」 ハスキーな声があははと笑う。 『大丈夫だよ。大した事ないから』 「速水さん、今、ご自宅ですか?」 『うん』 「今から伺います!」 『えっ』という速水さんの声が聞えたけど、電話を切った。 大変だ! 速水さんが風邪で寝込んでいる!  風邪薬と、栄養ドリンクとお粥の材料を買ってお見舞いに行かなきゃ。 公園のベンチから立ち上がり、駆け足で駅に向かった。
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