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電車に乗ってからも速水さんの事が心配で堪らなかった。
速水さんの美しい低音ヴォイスがあんなに嗄れてしまうなんて……。
電話では私に心配させまいと気丈に振る舞っていたけど、きっとすごい熱を出しているに違いない。
頭の中にパジャマ姿で寝込んでいる速水さんが浮かぶ。そんな速水さんの傍で看病する私。
『美樹ちゃん、風邪がうつるからダメだよ』
『大丈夫です。速水さんの看病をさせて下さい』
『美樹ちゃん……』
速水さんが感動して目頭を指で押さえる所まで想像して、電車を降りた。
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