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大学が終わった後、面白そうだからと言って、いくちゃんも眼鏡屋につきあってくれた。
バイト先の書店近くの眼鏡屋にいくちゃんと入った。その時、ハヤミさんを見た。店の前で立ち止まる姿を見て、胸が高鳴る。
スクランブル交差点前に立つハヤミさんは信号待ちをしているようだった。
お礼を言わなきゃ。
店の外に飛び出ようとした時、いくちゃんに腕を掴まれた。
「美樹、どこ行くの?」
「ごめん、ちょっと」
いくちゃんを振り払って外に出る。
信号が青になり、ハヤミさんが横断歩道を渡る。
人が多くて見失いそう。
待って、ハヤミさん。
待って下さい。
ハヤミさんを追いかけて横断歩道を渡る。
だけど、渡ったあとは人が多すぎて完全に見失った。
その日からさらにハヤミさんの存在は大きくなった。
書店で働いていればきっとハヤミさんに会える。そう信じてバイトに励んだ。
でも、三ヶ月、半年、一年と時間が過ぎて、ハヤミさんを待ち続ける事が苦しくなった。根性なしの私は、苦しさから解放されたくて、書店のアルバイトを辞めた。
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