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芳美は可愛いから、すぐに次が見つかるからいいよね。
私には誰も声かけてくれない。童顔で消極的だからかな。声かけられても、恐くて引いちゃうし。
…………
「お待たせしました。村田です」
「待っていません。今来たばかりです……」
「そうだったんですね。柳沢さん、失礼しました。S大学近郊の物件を探しておみえですね?」
「はい? ……っていうか、名前とか大学とか、どうして分かるんです?」
「トートバッグから、学生証と教科書がはみ出していますよ。教科書は、環境倫理と行動心理学。ここに賃貸住宅を探しに来る方で、その方面を学んでおられるのは、S大学に違いありません」
私は、プライベートな質問を突っ込まれ、ちょっぴり嫌な気がした。
村田は30代くらいの男性で、ウェーブした深い茶色の髪を整髪料で丁寧に撫でつけている。顔は転生ものによく出てくる騎士団のリーダータイプというところだろうか。眉間には縦に1本皺が入っていた。服装には清潔感が感じられる。
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