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素足のリクエスト
恋を始めた日
私は感覚的に素足だった
用意された靴なんか持ってなくて
痛い砂利を踏むような
だけども
土の感触を確かめているような
そんな気持ちだった
一つ二つと
慣れていくうちに
リクエストを重ねて
知らず恋が
案内板を作りだした
どの方向に行けば
もっと想いを告げられるだろう
ここを曲がれば
どんな想いに変化していくだろう
道を歩くほどに
一枚ずつ端切れが降ってきて
それを一つずつ
ちくちくと針で縫い合わせて
恋を進め続けると
いつしか私の素足に合う
端切れの靴が出来上がった
その靴は
どこまでも歩いていけそうで
むしろ
どこまでも飛んでいけそうで
靴紐をつけて
ギュッと結べば
二人の居場所まで
連れて行ってくれそうだった
素足から始めた恋を
永遠に終わらせないために
私はリクエストを続けるだろう
時には困らせる
それでも怯えずリクエストして
二人の恋を
ぴったり重ねていきたい
わがままは言わないから
仲良くなりたいから
私の素直なリクエストを
どうか受け止めて
好きよ
ほんとに好きよ
二人のために作った靴は
二人で一緒に歩くための靴
あなたの横を歩きたい
ずっとずっといつまでも
だから未来にリクエスト
この恋が風雨にさらされても
朽ちず壊れず
ここにあり続けますように
ほら見て
冴えない私の靴が
嬉しそうに輝いているよ
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