動物

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動物

「我々がこの会議を開いた目的は、人間たちの凶悪な行動を、いますぐに阻止するためである」  堂々たるライオンの声で始まったこの会議には、ここに生息するすべての動物が集まっていた。  サバンナの奥地。  弱肉強食のサバンナで、弱いシマウマも、強いヒョウも、大きいゾウも、小さいネズミも、争わずに座っているのだから、ここに人間が出くわしたら、驚かずにはいられないだろう。  もっとも、ここに人間が来ることは不可能なのだか……。  そう思ったのは、シマウマの隣に座るキリンである。  はて、人間は何か動物会議で取り上げられるような〝大問題〟を起こしたのであろうか。  キリンにとって、人間はおとなしく自分たちを見物する生き物としか思えなかったのである。他の動物たちもキリンと同じことを思ったのか、少しそわそわ、ざわざわし始める。 「あの……ライオンさん。人間は何か、悪いことをしているのでありますか?」  おそるおそる、ライオンの右隣に座るミーアキャットが聞いた。 「ミーアキャットくん、君は、最近空が暖かくなっていることに気が付いているかね?」  質問に質問で返されたミーアキャットは一瞬うろたえたが、はっきりと答えた。 「はい。去年と比べて、少しずつではありますが、おひさまが暖かくなっているような気がするのであります。ですが、人間とどんな関係があるのでありますか?」  ……ミーアキャットの言うように、だんだんと熱くなっているような気がする。  キリンや他の動物も、このようなことを経験したことがなかった。そのため動物たちは、「おひさまが近づいているから」だとか「空に火が付いたから」だとか、様々な説を出し合っている。  ライオンは、 「それがだなぁ……渡り鳥たちに聞いたことなのだか……」  と前置きしてから話し始めた。
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