◆(3)謎の男の襲撃

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◆(3)謎の男の襲撃

 これ以降、警察の記録もあり、多分、祖父やソレッキ先生から伝わって、あなた方もご存じの事と重なることも多いとは思いますが、念のために、順を追って記述します。  彼は、深夜、納期が迫っている仕事を片付けていました。そうしたら、謎の男がやってきて「石を渡せ」とナイフで脅して来たそうです。  アンティークショップで買ってきた奇妙な石の事だと、彼は気づきました。  そのことを話された時、私も思い出しました。彼は、私の祖父と知り合った影響で、骨董品を集めるようになり、オフィスにまで、骨董品を置くようになっていました。アンティークショップから買ってきた、白い精巧な彫刻が施されて、幾何学的な赤い模様が入った石。独特なデザインだったので、私もよく覚えていました。  それがオフィスにあるとWi-Fiが繋がらないと、ジョンが文句を言っていたことも。  彼は、襲撃者から逃げました。しかし、謎の男は異常に足が速くて、すぐ追い付かれてしまった。男がナイフで脅そうとしたときに、駆けつけた刑事さんたちが発砲して、謎の男は倒れました。  しかし、銃撃を受けたのに男は起き上がり飛び掛かってきました。刑事さんが、再び銃撃している間に、ジョンは逃げました。信じがたい事にその間に刑事さんたちは謎の男に殺されてしまい、男が追いかけてきた。彼は逃げ切れないと思った。  彼は、石を渡さないと殺されると思い「あの石がオフィスにあると、通信障害が起こるので、車に積んである」と言ったら、男は「それで、お前の家には、何も無かったのか」と言ったそうです。  ジョンは、それを聞いて嫌なものを感じました。家には彼の妻のレイチェルがいるはずだったから。  男は、車のキーを取ると、立ち去り、ジョンは家に携帯で電話をかけました。誰も出ない。彼の妻のレイチェルの身に何かあったのを予感したそうです。  そうしたら、謎の男が帰って来て、「車に石は無い。嘘つき」と言いました。  彼は「石は車にあるはずだ! それよりレイチェルに何かをしたのか?」と問い詰めた。  そうしたら、謎の男は「誰も殺したくなかったんだ」と悲しそうな顔で答えたので、彼はレイチェルが殺された事を知りました。ジョンは男に飛び掛かって、馬乗りになって男を殴った。  そうしたら、殴った右手に刺すような痛みを感じて、手に何かが入って来たそうです。そうしていると、謎の男は、ジョンの反対の手をつかみました。そこにも激痛が走り、何かが入って来た。ジョンは、引きちぎるようにして、男から離れた。手には、奇妙な傷ができました。  謎の男はぐったりして、その後、信じられない事が起こりました。  男の全身から、植物のようなものが、体を突き破って生えだし、その植物が、どんどん成長して、男は干からびていき、その植物のようなものも急速に枯れていきました。
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