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準備とか面倒くさいよな
面倒なのは、何も本決まりではないけれども俺から言質を取った友達もとい旅の道連れとなる 予定の真坂だけではなく、その内容――旅をしながらリモート授業を受けるという、まともとは思えない大それた計画もそうだった。まず、準備の時点で何を持っていくかあれこれ悩まなくてはいけない。俺の場合、彼女を選ぶなら可愛い子かイケそうな子に行くかの2択だが、タブレット以外に旅に必要なものを持って行くとなると、充電器、イヤホン、下着類、タオル、現金など、必要なものの時点で5個以上だ。あの真坂と行くんだからあちこち旅するには水分補給用のスポーツ飲料も必要だろうし、何に使うかはちょっと言えないが俺は定期的に水風船を揉まないと精神的におかしくなってしまう。え? 今のでバレた? 何のことかな。
俺がリュックの重さと所持品の便利さを天秤にかけながら夜道を歩く用のペンライトを用意していると、窓の下からデカい声で急き立てられた。
「遅いぞ飯名湖! 俺なんて昨日から準備万端だから今日は0秒しかかかってないぞ!」
と言うので、俺は早くもゲンナリしてしまう。
「そりゃそうだろうがよ。前日に準備したくせに更に1時間もかかるやつなんかいねえわ」
「まぁまぁまぁまぁ。その代わり、俺はお前を待つために1時間使ったぞ! 恩に着ろ!」
「うっわ。その言葉を命令形で使うなよ……。頭痛くなるだろうが」
「ん? そうか? まぁまぁまぁ。いちいち突っ込まれると俺だってコイツ面倒だな~って思うよ、だからお互い様ってことで何とかならんかね?」
「ん、そうだな、このまま喧嘩するのも面倒くさいし、とりあえず黙っててくれ」
「何で!? 俺は喋りたいけど!?」
あ? マジで面倒くさいな。これ、真坂が女の子だったら可愛いと思えるんだろうか?
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