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その時、翔真と出会ったことが運命の始まりだったに違いない。
中学三年生の頃からずっと一緒にいる。こんなに長い付き合いをしても、喧嘩もしたことない。それどころか、翔真といると安心感がある。
その気持ちが恋だと気付くのに、時間がかかってしまった。蒼斗はそれを悔やんでいた。
人を好きになるという気持ちを実感させてくれたのも、翔真という存在だった。
長い口付けの後、翔真は身体中に蒼斗からのキスを受ける。
くすぐったくて、熱い。
蒼斗が触れたところから、熱を帯びていく。
すぐにビッチングをすると決めてしまえば、翔真は一刻も早くΩになりたくて仕方なかった。
ずっと憧れていたΩに自分がなれる日が来るなど、思ってもみなかった。
珍しい男のΩになれば、苦労することも沢山あるのは承知の上だ。
しかし高校の時に出会ったΩの友人も、大学の友人である耀も、発情期が大変とはいえ、運命の番であるαに守られとても幸せそうなのだ。
そして自分にも今、蒼斗というαの恋人がいる。
蒼斗なら、きっとΩになった翔真を守ってくれるだろう。
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