195人が本棚に入れています
本棚に追加
/54ページ
「なぁ、翔真の中、濡れてる。これってΩに近付いてるってことなんだよな」
感慨深く蒼斗が言う。
そう言われてみれば、オイルも使っていないのに翔真の孔はしとどに濡れていて、蒼斗の指が中で掻き乱す度にグチュリと卑猥な水音が鳴る。
今はβとΩ、どっちの性質も持っている翔真だが、蒼斗のαに反応しているのは間違いなかった。
「じゃあ、挿れてよ。もう指だけじゃ嫌だよ。繋がりたいんだ」
「だから、煽んなって」
蒼斗の息も上がっている。きっと翔真のフェロモンが効いているのだろう。
服を脱ぎ捨てた蒼斗の男根が宛てがわれる。翔真の孔からは、十分なほどのΩの分泌液が流れ出していた。
腰を掴み、ゆっくりと侵入する。
この前よりも、しっかりとその存在が感じられた。隘路を押し広げながら奥へと這入ってくる。
翔真は瞠目とし、苦しさから小刻みに息を吐く。
「翔真、呼吸して」
「あっ、はっ……」
「ゆっくり吐いて。吸って……」
蒼斗の誘導に従い、浅く呼吸をする。
息を吐くタイミングに合わせて、蒼斗の熱魂がジワリジワリと奥へと這入る。
「半分這入った」
「う、ぅん」
翔真は、頷くだけで精一杯だった。蒼斗はしっかりと解そうとしてくれていたのに、自分が強請ったばかりに、蒼斗を困らせてしまったのではないか。
Ωの液で十分濡れている孔は、もっとすんなりと蒼斗の男根を飲み込むかと思っていたのは、とんだ間違いだった。
(まだ、半分か……)
最初のコメントを投稿しよう!