第一章 国王騎士

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わたしが、おろおろしていると、遠くの方から、地響きのような音が近づいてきた。 段々と近くなってくる影があった。 それは、馬に乗った甲冑を着た男たちの集団だった。 その男たちは、私とファサル国王を取り囲んだ。 そして、叫びながら、大きな剣で、ファサル国王に切りかかった。 「ファサル! 命をもらう!」 ファサル国王は、切りかかってくるいくつもの剣を、自分の剣で、受けながら、戦った。 ファサル国王は、怪我をしているはずなのに、圧倒的に強かった。 だが、わたしは、足がすくんで、立ち尽くしていた。 そのわたしに、敵の男の一人が気付いた。 そして、わたしに、切りかかって来た。 わたしは、怖くて、逃げることも出来なかった。 切られる! そう思った瞬間、ファサル国王が、私の上に覆いかぶさった。 ファサル国王は、背中を大きく切られた。 しかし、その男に向き直ると、剣を一太刀して、その男の首を跳ねた。 敵の男たちは、それを見て怯んだ。 しかし、いくらファサル国王が強くても、彼は、大けがをして、そして、一人っきりだ。 無理だ。 勝てない……。 わたしが、絶望的になった時、遠くから、馬のひづめの音が聞こえた。 数人の兵士を連れた、中年の精悍な顔つきの男性が、乗っていた馬から下りたった。 「ファサル様! お助けに参りました!」 その男性がそう言うと、ファサル国王は叫んだ。 「サリエル!」 そのサリエルと呼ばれた男性は、剣を振るうと、敵の男たちを切り倒していった。 16219d1d-8b3f-48de-bc61-cc1590af845c
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