第四章 新しい命

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リナールが、赤ちゃんを、わたしの枕元に連れて来てくれた。 赤くて、小さくて……かわいい。 わたしは、自然と涙が出た。 よく見ると、その赤ちゃんの瞳は、ファサル国王と同じ、銀色をしていた。 ファサル国王に、早く会わせたい……。 わたしは、休むのもそこそこに、赤ちゃんを連れて、お城へ向かった。 お城へ着くと、すぐに、ファサル国王のいる部屋へ入った。 ファサル国王は、ベッドに横になっていたが、わたしに気付くと、微笑んだ。 「サラ……」 ファサル国王は、どうにか、そう言った。 わたしは、そのファサル国王を早く喜ばせたかった。 「ファサル様……! わたし達の赤ちゃんが産まれました。元気な男の子です」
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