第五章 永遠の国王

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皆の涙が空から降るように、小雨が降っていた。 わたしは、ファサル国王の残した、幼い我が子を抱き締めて、泣き崩れた。 ファサル国王の葬儀が終わって、三か月が経った。 ファサル国王の息子は、ファルスと名付け、大切に育てていた。 しかし、わたしは、悲しみから抜けられなかった。 そんなわたしに、リナールが、重大なことを言った。 「サラ……。ファサル様の遺伝病は、ファルス様も受け継いでいる可能性が高いです……」 わたしは、絶句した。 「そんな……」 「ファサル様の病の研究は今も続けています。しかし、まだ、解明までには時間が掛かるでしょう」 わたしは、絶望した。 ファサル国王と同じ病気で、愛しい我が子が、三十歳までに亡くなる……。 わたしより先に死んでしまう……。 わたしは、すべてに絶望していた。 もう、何もかも、辛かった。 この現実から、ただ、逃れたかった。 わたしは、ふらふらと、一人で村の外れの荒れ地まで来た。 その時、草むらから、一人の男が飛び出して来た。 「悪魔の魔女め! ゴードン国王の敵討ちだ!」
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