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そう叫びながら、男は、大きなナイフを振るった。
わたしは、悲鳴を上げて、思わず目を瞑った。
しかし……。
ナイフは切りかかって来なかった。
わたしは、恐る恐る目を開けた。
驚いた。
そこは、プルシアン王国の荒れ地ではなく、昔、ファサル国王と出会った、あの神社だったのだ。
「えっ……?!」
わたしは、動転した。
わたしは、プルシアン王国から、タイムスリップして、また元の世界に戻って来たのだ。
「ファルス!」
わたしは、第一に、ファルスのことを思った。
ファルスを置いて来てしまった。
しかし、もう、元のプルシアン王国へ戻る方法が分からなかった。
わたしは、泣きながら、神社の前に立ち尽くした……。
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