第六章 運命の意味

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第六章 運命の意味

あの日から、もう、三十年が経った……。 わたしは、どうしようもなかったので、元の看護師の仕事に復職し、生活もファサル国王と出会う前の暮らしに戻っていた。 しかし、ファサル国王との日々を忘れることはなく、そして、ファルスのことを考えない日はなかった。 わたしは、毎日仕事が終わり、ファサル国王と出会った、あの時間になると、神社へ行った。 もう戻れはしないと、分かってはいたけれど、足は自然と毎日同じ場所へ向かう。 そんなある日。 小雨が降っていた。 その雨の中、神社の前に、人が立っていた。 外国人男性らしかった。 その男性が、振り返った。 わたしは、息を飲んだ。 「ファサル様……!」 ファサル国王にそっくりだった。 いや、良く見ると、似てはいるが、別人だと分かった。 そして、わたしには、分かった。 成長した我が子、ファルスだと。
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