第一章 国王騎士

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わたしと、ファサル国王、そして、リナールは、建物の中に入った。 この国の人らしき村人たちが、幾人か、椅子に座っていた。 リナール医師の治療を待っているのだろう。 ファサル国王は、その席に、同じように座った。 すると、周りにいた、村人たちが、血相を変えて、言った。 「ファサル様! どこかお悪いところがあるのですか?! 何を並んでおられるのですか?! 早く、先に治療をお受けください!」 「皆と同じで良い」 ファサル国王は、穏やかに言った。 わたしは、呆れて、思った。 本当に、この人は、王様なの? あまりに、人が好過ぎる! それに……。 関係ないけど、イケメンだし……。 わたしは、ずっと思っていたことを、再確認した。 王様で、強くて、優しくて、そして、イケメン……。 もし、わたしの職場にいたらなら、もうモテまくりの争奪戦だ。 ああ、しかし、わたしは、元の世界に戻れるのか……。 わたしが、考え込んでいると、リナールが、わたしに訊いた。 「あなたは、どこの国のお方なんですか? 看護師と言われましたね?」 「ええっと、とても遠くの国です。それに、一応看護師ですけど、新米で、お役に立てるかどうか……」 わたしは、多くの待っている患者を前に、急に不安になった。 f7675be7-d91c-4600-bafe-0f66e55c3f8d
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