少年魔術師、かつての仲間と対決する

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少年魔術師、かつての仲間と対決する

 ―――戦いは続く。  次から次へと湧いてくる魔物達。  4人とも、  さすがに息が乱れてきた・・・。 「アルーッ!無事か―ッ!?」  そこへ助っ人として現れたギルドの冒険者達!  その彼らにすぐさま付与魔法を発動するアル・・・! 「皆、ありがとう・・・!  頼むよ!」 「おおッ!!!!!!」」」」」」」 「任せとけ!!!!!!」」」」」」  その付与魔法で、  一人ひとりがドラゴン並みの力を発揮する冒険者たち・・・!  少しずつ、  だが確実に魔物達の勢いは衰えていく。  その乱戦の中で、  見失ったクリスの姿を探すアル。  それを見たかつての仲間二人が声を張り上げる。 「アル―ッ!  クリスはダンジョンの中へ後退した(ひっこんだ)わ―ッ!」 「お願いアル~ッ!  クリスを助けて~ッ!」 「ああ・・・!」  もちろんだ!  魔力も尽きかけ限界が近いにもかかわらず、  アルはためらいなくその魔の巣窟へと身を躍らせた。 「アルさん、  先頭はまかせてください!」  ―――頼もしい相棒と共に・・・!    ♦ ♦ ♦  ダンジョンの中にもかかわらず、  魔物はほとんど現れなかった。  アルとサーニャ、  二人はひたすら底へ、底へ・・・。  そして遂にたどり着いた。  最下層のさらに深淵、  魔の祭壇へ・・・  クリスの元へ・・・! 「はぁッ、はぁッ・・・。  来たよ、クリス・・・!」 「アル・・・、        なぜそこまで・・・」    【おのれ・・・、  しつこい奴らめ・・・!】    アルと同じく消耗しきっているのか、  クリスの表情は薄く疲労の色が濃い。  それはクリスに取りついた『魔』の力も衰えているという事・・・。 (魔物達が激減しているのがその証拠・・・)  サーニャはそう判断した。 (『あれ』を倒すなら今がチャンス・・・。  今ならごと斬ればいい・・・。  そう、のクリスさんごと・・・)  ・・・・・・  ―――な~んて。  やりませんけどね。  ちょっと想像しただけで・・・  アルの相棒として、  選ぶべきはもう一つの道。 『()根源(こんげん)』を退(しりぞ)け、  クリスも助ける。  その方法がサーニャには思い浮かんだ。  アルには方法が・・・。 「(アルさん・・・)」  小声でアルにその案を伝えると、 「(えぇッ!?)」  予想通り動揺している。 「(サ、サーニャ・・・、何でそんな事を・・・?  何ででクリスを正気に戻せるんだよ・・・!?)」 「(説明している時間はありません!  どうかわたしを信じてください!)」 「・・・分かった」  サーニャが、  仲間が信じてくれというのだ。  だったら、  信じて実行する(やる)に決まっている……!! 「いくよ、クリス・・・!」  覚悟を決めたアルは、 『魔』を宿すクリスに向かって突っ込んだ! 「アル・・・         アルぅぅ―ッ!!」      【愚かな・・・!  死ねぇッ!!!!】    放たれる暗黒の炎!!  防壁魔法(シールド)で受けながら、  アルの脚は止まらない!  全身を焼き尽くされるような苦痛を味わいながらも、  前へ・・・!  前へ・・・!! 「【なっ・・・!?】」 「クリスーッ!!!!!」  その傷だらけの手で、  アルはクリスの両手首をつかんだ! 「クリス・・・」 「【な、何を・・・くそッ、離せ!】」  振りほどこうと暴れるクリスに、  アルは静かに言った。 「先に謝っておくね。  ごめん・・・」 「え?」  そのきょとんとした表情(かお)は、  まぎれもなくクリス本人のものだった。  そのクリスにアルは顔を近づけ、  そして・・・  不器用に唇を重ねた。 【つづく】  ______________________ 『君』は手を止める……。 (……………………………………………え?  何この展開?  主人公は何ゆえこんな事を?  ――いや、とりあえず、 『応援ボタン』や『コメント』で評価くらいはしてやるが……。  読んだ者の義務として仕方なくな……。)
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