少年魔術師、冒険者パーティーをクビになる

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少年魔術師、冒険者パーティーをクビになる

 ~~~~~~~~~~~~~~~~ 「アル、お前はクビだ」  魔術師アルは冒険者ギルドで五指に入ると言われるパーティーの一員。  その彼が今、リーダーのクリスによってクビを宣告された。  他の二人も同意見のようだった。  もう一人、知らない顔がいるが・・・。  ―――宿屋の静かな一室。  アルは今のクリスの言葉が信じられなかった。  もう何年も冒険者として、  背中を預けあってきた仲間なのに・・・。 「どうして・・・」  震える声で問うアルに、  クリスの高圧的な声が降り注ぐ。 「どうしてだって?  自覚がないのか。  いつも後衛で守られているだけで、  一人では魔物一匹倒せるような力もない。  回復魔法も1人ずつにしかかけられない。  これまでどれだけ足を引っ張ってきたと思っているんだ」 「そうよ、この前のドラゴン戦の時だって」 「ね~?アルさえいなければ2匹とも倒せたのに。  そうすれば報酬だって半分にならずに済んだのにさ~」  他の二人もクリスの言葉に同意を示す。  アルは言い返したりせず、努めて冷静に説明を試みた。 「・・・確かに、僕の魔法は威力がない。  でも、それは皆が僕に使からだ。  魔法陣さえ展開できれば、威力を倍増できるのに・・・」 「うるさい!!」  説明はクリスの怒声によって中断、いや消去(かきけ)された。 「あんなウン・・・、  下品な魔法陣なんか許可できるか!  他の魔術師はちゃんと、  五芒星や六芒星の魔法陣を描けるのに・・・!  もうパーティー全体の恥となる存在はいらない!  お前よりもっと有能な魔術師をスカウトしたからな!」 「そういう事です、アルさん」  そう言って、  クリスの傍にいたローブを着た女性が進み出る。 「あなたの後は私が引き継ぎます。  私はあなたと違って全体回復も得意ですから。  だから安心してパーティーを抜けてください」 (僕に一言の相談もなく・・・)  アルはもう、抗議する気にもなれなかった。  ただ最後に、 「無理だけはしないで……」  とだけ言うと、部屋を出て行った。 【つづく】  _________________________ 『君』は読み進める……。 (なるほど、まずは定番の追放部分だな。  この追放サイドも、主人公に本来の力を発揮させずに追い出すという、  追放ものにはよくある連中だ。  これはざまあし甲斐がありそうだ。  しかし、展開を禁止されるほどの、  主人公の下品な魔法陣とはいったい……。  ――とりあえず、  このまま画面をスクロールして、 『作品のフォロー』に、 『応援ボタン』や『コメント』で評価くらいはしてやるか。  読んだ以上、それくらいはしなければな……)
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