少年魔術師、仲間に見捨てられた冒険者を助ける

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少年魔術師、仲間に見捨てられた冒険者を助ける

 地下1階。    ウンコ・・・ではなく、  魔法陣はアルの頭上に展開されたままだ。  今度は探知魔法(サーチ)で周りの気配を探る。  ・・・・・・  ―――いた!  ここからやや離れた地点に気配が4つ・・・!    うち3つは魔物の気配。  残る1つは・・・ 「間に合えッ!」  瞬間移動(テレポート)は行ったことのない地点へは飛べない・・・!  付与魔法で自身のスピードを限界まで上げたアルは、  4つの気配へ向かって猛ダッシュした!  1秒・・・、2秒・・・、3・・・、4・・・、ご・・ 「いたッ!!」  剣を持った傷だらけの少女と・・・、  オーク(×3)だ!  その1匹の持つこん棒が、  今まさに少女に向かって振り下ろされようとした時・・・! 「雷撃魔法(ライトニング)!!」  アルの手から放たれた魔法が、  3匹のオークに命中する! 「「「グピィーッッ‼」」」  これで3匹とも数秒は動けない・・・!  アルは少女に向かって、  遠隔の回復魔法(ヒール)をかけつつ叫んだ! 「今だ!」 「は、はいッ!」  瞬時に状況を判断した少女は、  退魔(たいま)聖剣(せいけん)をかまえ飛び出した!  ・・・1匹!  ・・・2匹!  ・・・3匹!!  雷撃魔法(ライトニング)によるしびれが消えた時、  すでにオーク達がそれを感じることはなかった。  ♦ ♦ ♦ 「本当にありがとうございました!」  オーク達のなきがらをアイテムボックスに収納し終わったアルに、  少女は深々と頭を下げた。  心なしか目がうるんでいる。 (無理もないよな・・・)  よっぽど怖かったのだろう・・・。 「サーニャさん、だよね?  僕はアル。  ソロの冒険者だ。  君の仲間・・・いや、  パーティーの連中から事情はいるよ」  アルはダンジョン入り口での顚末(てんまつ)を語った。 「そうですか、  やっぱりわたしを囮に・・・」 「でも、間に合ってよかったよ。  あいつらが君を殴って置き去りに、  なんて言うものだから・・・」 「あ、兜をつけていたので・・・。  壊れて外れちゃいましたけど・・・」 「そう・・・。  とりあえず外に出よう。  兜はオークの討伐料で新しく買えばいいしね」 「え?  いえ、でもオークを倒せたのは、  アルさんのおかげですし・・・」 「とどめを刺したのはサーニャさんじゃないか」 「そ、それにアルさんは、命の恩人です!  何のお礼にもなりませんけど、  討伐料はアルさんが受け取ってください!」  ・・・何だろう。  会ったばかりのこのサーニャという少女に、  アルは不思議な親しみを覚えた。  だから言った。 「じゃあ、お礼と言うか、  一つだけお願いを聞いてもらってもいいかな?」 「は、はい!  わたしに出来ることなら・・・」 「僕と・・・、  パーティーを組んでください!」 【つづく】  _____________________ 『君』は読み進める……。 (ヒロインの加入か……。  個人的にはこういう展開は好きではないんだが……。  やっぱり、すり寄ってきた勘違い女共を主人公が袖にするほうが、  見ていて気持ちいいんだよな……。    ――とりあえず、 『応援ボタン』や『コメント』で応援くらいはしてやるか。  読んだ以上、それくらいはしなければな。  ありがたく思えよ、作者……)
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