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少年魔術師、少女剣士と成り上がる
♦️ ♦️ ♦️
「今だサーニャ!」
「はいっ、アルさん!」
ウンコ・・・紋様の魔法陣で、
威力を跳ね上げたアルの付与魔法。
それにより強化された彼女の一撃が、
ドラゴンの首を斬り落とす!
ズシイイイイン!と、
ダンジョン全体を揺るがすような地響きとともに、
その巨体は沈んだ。
「やった!
やりましたアルさん!」
「すごいよサーニャ!
こんな大きな敵を一太刀で!」
「そんな・・・、
みんなアルさんのおかげです。
わたし1人だったらとても・・・」
「そんな事ない、
僕のウン・・・、
この魔法陣をサーニャが受け入れてくれたからだよ」
「そんなの仲間なら当然です。
それにその魔法陣、
すごい威力じゃないですか。
ドラゴンを倒せたのはアルさんの力です!」
「いやそんな・・・、
それを言うならサーニャの剣術があればこそ・・・」
「いえそんな・・・、
それこそアルさんの魔法がなかったら・・・」
「・・・」
「・・・」
「・・・ふっ」
「ふふっ」
「「あっはっは!」」
ダンジョンの中であるにもかかわらず、
二人はつい笑いだしてしまった。
「そうだね。
これは、二人の勝利だ!」
「はいっ!
わたし達パーティーの勝利です!」
♦ ♦ ♦
「おい聞いたか?
あのアル達のパーティー・・・」
「ああ、
また高難易度の依頼を達成したらしいな」
「オイオイオイ、
これで何度目だよ」
「ついこの前までは、
クリス達にお荷物扱いされていたのにな」
「いや、
そもそもそれがおかしかったんだよ」
「力を発揮できる真の仲間を見つけた、
ってことか?」
「そうそう。
ま、なんにせよ大した奴らだぜ」
「だよな。
頑張ってたもんな、あいつら」
そんな風に周りの冒険者達に見直され、
ギルドでも一目置かれるようになったアル達のパーティー。
アルに助けられた少女サーニャも、
自分を囮にして逃げた連中にはさっさと三行半を突き付け、
今では剣士としてアルの立派な相棒だ。
サーニャは初めから、
アルの魔法陣について何の抵抗もなかった。
アルが人前でそれを出そうと、
まったく気にしなかった。
(でも・・・)
ただ一つだけ、
サーニャは気になっていた。
(あの魔法陣のウン・・・とぐろ、
毎回微妙に紋様が変化している気がするんですよね・・・)
まるで・・・そう、
背中を向けていた蛇が、
少しずつこちらを向いてきているような・・・。
【つづく】
_____________________
『君』は読み進める……。
(いい具合に成りあがってきたな。
これはそろそろ……。
――とりあえず、
『応援ボタン』や『コメント』で評価くらいはしてやるか。
読んだ以上、それくらいはしなければな。
ありがたく思えよ、作者……)
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