そうだ、内側へ行こう! <GO INSIDE!>

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 二日目のアクティビティは竹上の受け持ちだ。朝食のビュッフェを終えた三人は、ホテルからタクシーに乗った。30分ほどのドライブの後、タクシーは企業の研究所のような建物の前に停車。 「到着・・っと。」竹上はニヤリと笑い、ご満悦のようだ。参加者側の二人は何が始まるのかとドキドキした表情だ。  四方を白い壁に囲まれた部屋に三人は通され、それぞれ、VR(バーチャルリアリティー)のゴーグルを手渡された。各人が立っている床は全方向に動く床となっていて、仮想現実の空間の中で実際に歩いて回れるという仕組みなのだろう。 「オランダって、VRが盛んでね。」と竹上が口火を切る。「フェルメールって画家、知ってるだろ?『真珠の耳飾りの少女』で有名な。オランダを代表する画家でもあるよね。で、彼のもう一つの代表作、『牛乳を注ぐ女』の世界に、今から俺たちはダイブするんです。その女性はAIの技術で喋れるようにしてもらっているから、会話も楽しみにしておいてよ」 「さすが、IT系!」 「まぁね。ということで、オレのテーマは『絵の内側に入る』です」  残る二人はナルホドという表情を見せながら、VRゴーグルを装着した。
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