そうだ、内側へ行こう! <GO INSIDE!>

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 梅本が担当する三日目は少し遠出ということで、ホテルを早朝に出発した。そして数時間の後、寂れた小さなちいさな漁村に到着。  案内役の老人に挨拶をすると、三人はサーフィンで使うようなウェットスーツに着替えさせられた。そして、小舟で沖合まで移動。やがて小舟は停まり、三人は海に浮かぶように指示を受けた。ライフジャケットがあるので沈む心配はないが、底の見えない海に浮かぶ状況に底知れぬ恐怖を感じる。 「なぁ、梅本。今日は何の内側に入るの?ここまま海中に入るのだったら怖いけどな・・・」少し不安になった松村が、海面にプカプカと浮かびながら梅本に訊く。 「いやぁ・・・穴の中に入るって聞いたんだけど、海岸の洞窟とかじゃない感じだよな・・・すでに沖合だし。イニシエーションとか何とか言っていた気がするんだけどな・・・」  そんな会話を続ける三人を尻目に、小舟は少し離れた場所に移動。そして、案内役の老人は笛をピィと吹いた。  すると少し離れた海面が盛り上がり、やがて巨大な海獣が姿を現した。海獣が大きく開けた口は2mほどの円形となって、明らかに三人を吸い込もうとしている。 「うわああああああああ!」 「ぎゃあああ!」  三人は恐怖の叫びをあげるが、海の中で巨大な海獣から逃れることができないことは明白だった。
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