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初体験は誰もが痛い思いをするのだと、耳にタコができるほど聞いていた。だがその痛みは、雨峯には一切起こらなかった。
(宇島くん……すっごく上手なんだ)
兜悟朗の行為が、どれほど上手なのかは何もかも初めてであった雨峯には分からない。
だが彼に触れられる身体全てが心地良く、終始幸福感で満たされていた。兜悟朗も初めてであるはずなのに、そう思えないものを感じていた。本当に、兜悟朗はなんでもできる人なのだ。
(こんな素敵な人が私の彼氏なんだ……)
その瞬間はただそれだけが本当に嬉しく、彼と一つになれた事がひどく喜ばしかった。
だがやはりその感情も――――長くは続かないのだ。
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