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夏よ終わらないで
夏祭りの、最後の花火が終わったあとの切なさは、夏が終わったと思うからだろうか。
その次の日に、むわりとした暑さと刻み葱の香りを感じて夏を実感するのは、毎年夏にそうめんや冷奴を食べるからだろうか。
夏の虫の声が薄れ、秋の虫の声が濃くなるのを聞きながら、それでもまだ夏だと思うのは、年々増す暑さのせいだろうか。
夏の終わりに焦りを感じるのは、終わらない原稿と夏休みの宿題が重なって見えるからだろうか。
締切が、提出日が、暦の上での夏の終わりにあるからだろうか。
――ああ、夏よ。
頼むから、どうかまだ終わらないでくれ。
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