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そして、その一ヶ月後のこと。
別の週刊誌『巡不同盟』には、新たなゴシップ記事が飾られていた。
『朋政朱朗、二股発覚?!本命にはなれない女、風音星來。本命対決の行く末は!』
朱朗の二股疑惑の記事。そして、星來は浮気相手、当て馬ではないのかという疑惑。
それは映画関係者の策略でもなければ、『巡不同盟』の『サテライト』に対する対抗策でもなく。
朱朗が、映画共演者である叶恵リカ(20)と、テーマパークで手をつなぎデートをしている写真を撮られたのだ。
お揃いのサングラスをして、お揃いのキャップを被る様が生々しさを物語っていた。
『本命強し』『星來不憫』『朱朗ゲス浮気』『#叶恵リカ薬やってそう』
世間の朱朗に対するイメージは崩れていった。
朱朗は映画撮影には参加していたものの、しばらくメディア関係は全て謹慎扱い。そしてモデルが本業である叶恵リカは、まだ未成年の朱朗を連れ回したとして映画を降板された。
映画の上映も予定より約半年先送りになり。
映画の番宣も、主役の二人以外の共演者が行い、大コケになることが予想されていたのだが。
『淡色と常套句』は大ヒットとなった。
良かれ悪かれ、二つの記事は見事、映画の火付けになったのだ。
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