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終幕 散らない花
私をいじめていた人たちを古書店に連れていった翌日。怖々学校へ行ったが、彼女たちは来ていなかった。なんでも昨晩から、帰っていないらしい。
……本当に、あの人が?
あそこがそういう店だというのはなんとなく気づいていた。それでもまだ、信じられない。
学校帰りに通い慣れた店までの道を歩く。しかしいくら歩こうと辿り着けない。まるで最初から、そんな場所なんてなかったかのように。
それでも諦めずに歩き続けた。私はまだ、あの人にお礼を言っていない。彼女たちをどうにかしてくれたのだが、今もまだ私が生きているのはあの人のおかげなのだ。
あの店を訪れたのは、祖母の本を鑑定してもらうためではない。そんなの、ただの口実だ。学校に伝わる都市伝説を聞いて、魂を奪ってくれるんじゃないかと思ったのだ。もう、この永遠に続くかと思える苦しみから解放されたい、その一心だった。
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