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『俺は生涯、桃を愛する事を誓うよ。』
『桃と翼は俺の幸せで宝物だ。
だから二人いればそれだけでいい。』
(……あれは嘘だったんだ……。嘘つき……。)
家族の事を第一に考えてきたのに、私は何かしてしまったのだろうか?
隼也に対して不満のする事をしてしまったのだろうか?
考えれば考えるほど悪循環となっていたが、不思議と涙が出てこなかった。
(何で泣けないんだろう……。
私って冷たい女なのかな…?
色んな事がありすぎて麻痺しちゃったかな…?)
すぐに実家へは行けずに少しの間、現実逃避をしていた…。
その時に…
「ふざけんなーーーーー!!!
クソ亭主がーーーーーー!!!」
ビクッと反応して驚きながらも、桃が今言いたい位、叫びたかった言葉だった。
(あれ?私、声出してたっけ……)
確認する為にブランコから降りて歩き出すと、少し離れた先のベンチに座って怒っているスーツ姿の女性が、大声を出していたので恐る恐る声を掛ける。
「あの……大丈夫ですか?」と手を差し伸べようとしたが…。
「気にしなくていいから放っといてよ!」と手を払ってから桃の顔を確認すると、その女性は驚きながらも、まじまじと桃の顔を見続けている。
「あの………どうかしました?」
「桜木………桃さん?」
「……何で私の名前を…あれ?
しかも何で旧姓を知っているんですか?」
その女性は桃より少し身長高め、ボブの髪型で顔が整っている綺麗な女性だった。
「やっぱり……やっぱり桜木さん……だよね?」
「そうですが……ハッ!」
これがまさか……運命の出会い!?
Missシルバーが言った事はこういう事?
そうだ……。思い出した。その女性は…。
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