第一章 絶望

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『俺は生涯、桃を愛する事を誓うよ。』 『桃と翼は俺の幸せで宝物だ。 だから二人いればそれだけでいい。』 (……あれは嘘だったんだ……。嘘つき……。) 家族の事を第一に考えてきたのに、私は何かしてしまったのだろうか? 隼也に対して不満のする事をしてしまったのだろうか? 考えれば考えるほど悪循環となっていたが、不思議と涙が出てこなかった。 (何で泣けないんだろう……。 私って冷たい女なのかな…? 色んな事がありすぎて麻痺しちゃったかな…?) すぐに実家へは行けずに少しの間、現実逃避をしていた…。 その時に… 「ふざけんなーーーーー!!! クソ亭主がーーーーーー!!!」 ビクッと反応して驚きながらも、桃が今言いたい位、叫びたかった言葉だった。 (あれ?私、声出してたっけ……) 確認する為にブランコから降りて歩き出すと、少し離れた先のベンチに座って怒っているスーツ姿の女性が、大声を出していたので恐る恐る声を掛ける。 「あの……大丈夫ですか?」と手を差し伸べようとしたが…。 「気にしなくていいから放っといてよ!」と手を払ってから桃の顔を確認すると、その女性は驚きながらも、まじまじと桃の顔を見続けている。 「あの………どうかしました?」 「桜木………桃さん?」 「……何で私の名前を…あれ? しかも何で旧姓を知っているんですか?」 その女性は桃より少し身長高め、ボブの髪型で顔が整っている綺麗な女性だった。 「やっぱり……やっぱり桜木さん……だよね?」 「そうですが……ハッ!」 これがまさか……運命の出会い!? Missシルバーが言った事はこういう事? そうだ……。思い出した。その女性は…。
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