プロローグ 運命の始まり

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プロローグ 運命の始まり

昼間の賑やかな都会の影でひっそりと佇む小さな占いの店“白の館”。 そこはSNS等もしておらず、目印といえば隣の安くて美味しい毎日賑やかな定食屋“氷柱”で、たったの数時間しか営業していないというマイペースなお店だったが、かなりの高確率で当たりやすいと影で話題になっていた。 館の内装はまるで雪や氷等の冬をモチーフにした真っ白と薄い青の白銀の世界観。 そんな館の主であるスラッとした体型で、まるで雪の女王の様な雰囲気漂う、全身白と青に包まれたベルベット調のマントを着た青い瞳しか姿が見えないMissシルバー(白銀)は何人かの占いを終え、一息の休憩をしていた。 休憩中にMissシルバーが見つめた先は、部屋全体が冬の内装なのに、何故かイメージにそぐわない花瓶に入った春の花・カモミールだった。 考え事をしていた時にいつの間にか親子が入っていた事に気づいた。 ハッとして、目を見開いた後に「ようこそ、白の館へ」とご家族に伝える。 興味津々で入ってきた妻の笠原 桃(29)は「ここの占いが当たるって聞いてきたので宜しくお願いします。」とワクワクしながら話していた。 対する夫の笠原 隼也(31)は渋々来た様子もあり、、占いに対して余り信じていない様子だった。 又、息子の翼(5)も一緒にいて、雪原の様なお部屋にキョロキョロ見渡しては興味津々だった。 「ありがとうございます…。 私はここの主であるMissシルバーと申します。 今から始めますので席にお座りください…。」と静かに伝えた。
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