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船を降りると幼女な神様パープルが住む異世界でした
その日は青空が広がっていた。まさかとんでもないことが起こるなんて夢にも思っていなかった。
船を降りると楽園と思いきやそこは、とんでもない世界だった。
「うふふ、また来たね」
幼女な神様パープルが満面の笑みを浮かべわたしの顔をじっと見る。
「また、パープル様ですか?」
「あらあら、そんな嫌な顔しなくてもいいじゃな~い!」
幼女な神様パープルはご自慢の明るめで艶やかなラベンダーパープルヘアをかき上げる。
「だって、パープル様はまたわたしをこき使うんでしょう?」
わたしは無邪気で愛らしいパープルの顔を見て言った。
「こき使うって人聞きの悪いこと言わないでよ」
パープルはほっぺたをぷくっと膨らませた。その表情がめちゃくちゃ可愛らしくて思わずきゅんとなる。
「じゃあ、今回はいつもと違うんですよね? 箒を持っているけれど」
わたしは、パープルが持っている箒とパープルの顔を交互に見て尋ねる。
「ん? この箒のことだね。それはもちろんだよ」
「もちろんとは?」
「だから、もちろんだよ。夢葉ちゃん」
幼女な神様パープルは丸くてくりっとした二重まぶたの大きな目でわたしをじっと見つめてくる。そのあまりにも可愛らしい姿にわたしは、負けてしまった。
「……お掃除ですか?」とわたしは自ら言ってしまった。
「はい、正解だよ~お掃除をお願いするよ」
幼女な神様パープルはにっこりと笑い箒を差し出した。
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