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「えっ? お菓子……まだだよ」
「はぁ? まだなの。早く買いに行って来てよ。僕お腹が空いたんだからね。お菓子を心待ちにしているんだよ」
「わかったよ。行ってくるよ。にゃんこ行こう」とにゃんこを抱っこしてわたしは歩きだした。
「いってらっしゃい」
イエローはひらひらと手を振る。まったくワガママなんだから。幼児だから仕方ないかと溜め息をつく。
「まったくイエロー君はワガママだよな」
「うん、幼児だから仕方ないよね」
「それにしても外見幼児なイエロー君や幼女な神様パープル様にこき使われているなんて腑に落ちないよな」
「うん、そうだね。腑に落ちないよ」と返事をしたところでわたしは気がついた。さっきからわたしは誰と話をしているのだ。
ああ、振り返りたくないなと思いながら、えいっやと振り返るとやっぱり残念なイケメン月夜さんがいた。
「ん? 夢葉ちゃんどうしたの? 俺の顔をじっと見てるけど」
月夜さんは首を横に傾げ不思議そうな顔でわたしを見た。
「どうしているのかな?」
「それは俺もパープル様に買い物を頼まれたからだよ」
「あ、そうなんだ」
「おっと、にゃんこも一緒に買い物だね」
月夜さんはふにゃふにゃふにゃりとだらしなく頬を緩めた。すると、わたしの腕の中にいるにゃんこがシャーと鳴いた。
可哀想に懲りない月夜さんは相当にゃんこに嫌われているようだ。
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