25人が本棚に入れています
本棚に追加
/108ページ
黒髪も可愛いなら良かったとぴょんぴょん飛び跳ねる無邪気な妹の姿をわたしはじっと眺めた。
この地球はわたしの何度目の人生で生活した場所なのかなと考えた。目の前でぴょんぴょんと飛び跳ねる妹はずっと、わたしの妹だったような気がする。
『夢葉ちゃん、わたしずっと思い出してもらいたかったんだ。だからね……あれ? だから何だろう?』
黒髪の妹は自分の言った言葉に首を傾げた。そして、
『あ、わたし……』と呟き黙ってしまう。そんな黒髪の妹を慰めるかのようににゃんこが傍ににゃーんと近寄る。そして、黒髪の妹の足に頭や体をスリスリと擦り付けた。
「妹ちゃんどうしたの?」
わたしも心配になり尋ねた。
『う~ん、何か大事なことを思い出しそうなんだよ』
黒髪の妹は微かな笑みを浮かべた。
にゃんこはそんな妹を見上げ見守っている。にゃんこはこの黒髪の妹のことを覚えているのかな?
「急がなくていいからゆっくり思い出してね」
わたしは励ますように言った。
「うん。わかった」と言った黒髪の妹は頭を抱えている。
わたしも大切な何かを思い出さなきゃ。その為に今、地球にいるはずなのだから。
最初のコメントを投稿しよう!