船を降りると幼女な神様パープルが住む異世界でした

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 わたし達はレジに並んだ。店員さんもやっぱり髪の毛がカラフルだったり、まだ子供かなと思われる店員さんもいる。  にゃんこはわたしに抱っこされレジに並んでいるんだけど、前に並ぶ月夜さんのカゴの中にある『猫のお菓子だぞ』と書かれている猫のお菓子が気になる様子だ。 「にゃんこってばそんなに鼻をくんくんさせないでよ」  にゃんこは鼻をくんくんさせ月夜さんの買い物カゴに顔を近づけている。 「おっと、にゃんこ俺のことが大好きなのかい?」  月夜さんはこちらに振り向きふにゃふにゃふにゃーりと頬を緩めだらしない顔でにたーっと笑う。イケメンが破壊されている。  にゃんこはさっきまで『にゃんこのお菓子だぞ』に興味津々だったのに月夜さんのその顔のせいかぷいっとする。 「ちょっと、にゃんこ無視するなよ~」  月夜さんは口を尖らせた。 「お客様~お会計したいんですけど」  店員さんが月夜さんを見て言った。 「あ、すみません」  月夜さんは慌ててカゴをレジ台に置いた。 「一万二千円になりま~す」  月夜さんはカルトン(釣り銭受け皿)に紙幣を載せそれからポイントカードを差し出した。  店員さんがバーコードリーダーで『ピッ』とスキャンすると、『チャララーンチャララーン百二十ポイントゲットしましたおめでとう~』と音声が流れた。  なんだかめちゃくちゃ恥ずかしい。それなのに月夜さんは、「やったぜ百二十ポイントゲットしたぜ」なんて言ってバンザイをする。
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