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幼女な神様パープルとイエローが待っているだろうけれど、わたし達は寄り道をしてにゃんこにお菓子をあげることにした。
先程からにゃんこはまんまるな目をより大きくしている。その目はキラキラ輝いている。お菓子を期待しているようだ。
パープル様やイエロー君なんて後回しだよ。にゃんこを優先するのだ。
「夢葉ちゃんさっきからニヤニヤ笑っているけどどうしたんだ? 気持ち悪いぞ」
「はっ! わたしニヤニヤしてた?」
わたしは慌てて自分の頬に手をやる。わっ、頬が緩んでいた。
「ってちょっと、月夜さん、レディに気持ち悪いぞって失礼ですよ」
わたしは口を尖らせ抗議をする。
「え? レディなんてどこにいるんだろう?」
月夜さんはわざとらしくキョロキョロと辺りを見回す。そして、「おっ、レディを発見」と言ってにゃんこの頭を撫でた。
にゃんこはシャーッと鳴く。
「に、にゃんこどうして君は……あんまりだよ」
月夜さんは今にも泣きだしてしまいそうな顔になっている。
「わたしに意地悪なことを言うからですよ。ねっ、にゃんこ、怒ってくれたんだよね」
わたしは言いながらにゃんこの頭を撫でるとにゃんにゃんと可愛らしく鳴いた。
「うふふ、ほらね。わたしに意地悪したらにゃんこが怒りますからね~だ」
わたしはふふんと鼻を鳴らし胸を張ってみせた。
月夜さんは肩をがっくり落としている。
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