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「夢葉ちゃん、掃除してるんだったらこれもついでに捨てておいて」
イエローがわたしの足元にあるゴミ袋に爪楊枝をぽーいと投げ入れた。あどけない天使みたいな顔なのに爪楊枝で歯をほじるなんてなんだかおっさんみたいだ。
わたしは思わず「おっさんみたいだ」と呟いてしまった。
「夢葉ちゃん! 今なんて言ったのかな~?」
イエローのその表情は眉間に深い皺が入りめちゃくちゃ怖かった。
「あはは、何でもないよ~」
わたしは作り笑いで誤魔化した。
「夢葉ちゃん! 誤魔化してもダメだよ。僕のお菓子買ってきてね」
イエローはわたしに小銭を押しつけ歩き去った。
まったくこの世界の住人(神様かな?)は人使いが荒いよ。嫌になっちゃう。わたしは、丸みのあるマッシュヘアを風に揺らし歩くイエローの後ろ姿を眺めふぅーと溜め息をついた。
「わたしはあなた達の召使いじゃな~い!」と大声を上げて叫んだ。
すると、その時……。
「まったくそうだよな」と男性の声が聞こえてきた。
この声は? アイツだよ。
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