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「よっ、夢葉ちゃん久しぶりだな」
うわぁー振り返りたくないな。よし聞こえなかったふりをして掃除をしよう。わたしはせっせと箒を動かした。
「おい、夢葉ちゃん聞こえているよね?」
「う~ん、今日は落ち葉がたくさん落ちているな~これは掃除が大変だよ。頑張らなきゃ。ファイト夢葉~」
「おい、夢葉ちゃん、落ち葉なんて落ちてないじゃないか。俺の事無視してるよね?」
男性はそう言いながらわたしの顔を覗き込んできた。
「わっ! び、びっくりした。な、な、何!」
「あのな。聞こえているのに無視するなよな。わざとらしくびっくりした声も出さなくていいから」
男性は呆れたように笑っている。
「……また、やって来たの? 月夜さん……」
「それはこっちの台詞だよ。夢葉ちゃんこそまたこの世界にやって来たんだね」
「死んで三途の川を渡って辿り着いたのがこの世界だったんだもん」
「俺もそうだよ。何故かこの世界に辿り着くんだよな。どうして何だろうね?」
わたしと月夜さんは顔を見合わせ溜め息をついた。
そうなのだ、この目の前にいる月夜さんも三回この幼女な神様パープルがいる世界に転生している。地球での前世の姿のままで。
転生と言うか異世界トリップなのかな? いやいやでも、わたし死んでいるからね。
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