船を降りると幼女な神様パープルが住む異世界でした

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「にゃんこ俺は君のことをこんなに愛しているのにあんまりだよ」  目を潤ませにゃんこに訴えかける月夜さんに、にゃんこはキバが見えるほど口を大きく開けて月夜さんを睨みつけシャーッ! と鳴いた。 「うわぁ~! こ、怖いぞ、おい、にゃんこ」と怯えながら月夜さんはお尻をうしろにつき出しへっぴり腰になっている。  ああ、月夜さんせっかくのイケメンが台無しですね。最高に格好悪い、残念さんだ。 「あらあら、騒がしいわね」  わたし達の目の前に突然幼女な神様パープルが姿を見せた。 「うわぁ~また、パープルかよ!」 「月夜失礼だね。パープル様と呼びなさい」  パープルはキッと月夜さんを睨みつける。 「そんな目で見るなよ……」  月夜さんはシャーッと鳴くにゃんこと鋭い目つきで睨む幼女な神様パープルに挟まれている。可哀想だけど笑いそうになる。  そして、怒っていた幼女な神様パープルは笑顔になり「月夜もようこそ~」と微笑み両手を大きく広げた。 「どうして毎回この世界に来てしまうんだよ~」 「月夜文句なんて言わないで掃除しなさい」  幼女な神様パープルはにっこりと微笑みを浮かべ雑巾を月夜さんに差し出した。
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