11人が本棚に入れています
本棚に追加
「……ということは、ホモたちはコードナンバーのような物で呼び合うということですね。なるほど、効率的です。」
「そういうことだ。」
貝田は蟹田の予想を遥かに超える頭の良さだった。
生まれつきだろうか。
察しの良さと人当たりの良さ、そして話の簡潔さが印象的な女性だ。
なんで、この人が網走刑務所に派遣されるのだ?
蟹田の疑問は深まるばかりだった。
これだけ優秀な人材なら、わざわざ最果ての刑務所に飛ばされることはまずなかろう。
網走刑務所という最果ての地にはいわゆる「やらかした人」のみが送られる。
それもかなりえげつないことを「やらかした」人のみ。
彼女も、何かしら「やらかして」いるのだろう。
そんなことは想像もつかないような物腰の柔らかさだった。
……まぁ、せいぜい「上司に暴力を振るった」とかそんなところだろう。
警官は考えるのを諦め、無言で飛行機に乗り込んだ。
居心地の悪く騒音が酷い、警察用のプラベートジェットで数時間嫌な時間を過ごし、網走へ戻る。
ホモたちはちゃんとやっているだろうか。
最初のコメントを投稿しよう!