警官と相棒

5/5
前へ
/11ページ
次へ
「……ということは、ホモたちはコードナンバーのような物で呼び合うということですね。なるほど、効率的です。」 「そういうことだ。」 貝田は蟹田の予想を遥かに超える頭の良さだった。 生まれつきだろうか。 察しの良さと人当たりの良さ、そして話の簡潔さが印象的な女性だ。 なんで、この人が網走刑務所に派遣されるのだ? 蟹田の疑問は深まるばかりだった。 これだけ優秀な人材なら、わざわざ最果ての刑務所に飛ばされることはまずなかろう。 網走刑務所という最果ての地にはいわゆる「やらかした人」のみが送られる。 それもかなりえげつないことを「やらかした」人のみ。 彼女も、何かしら「やらかして」いるのだろう。 そんなことは想像もつかないような物腰の柔らかさだった。 ……まぁ、せいぜい「上司に暴力を振るった」とかそんなところだろう。 警官は考えるのを諦め、無言で飛行機に乗り込んだ。 居心地の悪く騒音が酷い、警察用のプラベートジェットで数時間嫌な時間を過ごし、網走へ戻る。 ホモたちはちゃんとやっているだろうか。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加