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それに、その龍蛇。化生たち。
「ねえカンナ。こいつら、成長しているんじゃあないの」
二人だけになった時、シュウはその疑問をぶつけてみた。
そうなの?と、始めは呑気者だったカンナ。
「二年前とか、思い出してみなさいよ。これだけ大きなものがいたかしら」
「確かに …… ミナコの言った感じ方にしては苦戦したかな、とは思う」
「これはまずいわ」
シュウの言葉通りであった。
彼らは本格的な防御網を形成していない。神社に能力者のコミュニティを作りつつ、しかしどこか馴れ合いじみてやってこられたのは、山林から発生する化生を必ず撃退できる、という余裕があったからだ。それだけシュウたちの力が強かった。二年半前のその時は。
しかし、である。
シュウはここ一年の内に、どうも化生が強力になっているのではないか、という疑いを抱くようになった。始めは気の迷いとも思ったろう。しかし、次第に迷いは疑いへ。
そして、今回のミコの件。
化生とミコとはつながらない。しかしながら、ミコが巨大な化生を倒したという出来事が、化生に対するシュウの疑問を確信へとスイッチさせた。
本来つながりを持たない、偶然同士のつながり。その、偶然同士の連鎖反応。
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