2-02 シュウの思い

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「スイに相談してみようと思う。あの人なら、何か言ってくれる気がするし」 「(ねえ)さんに?遊びに連れ回されるのがオチだよ」 「カンナ、冗談をやっているんじゃあないのよ」  シュウには一つの思い付きがあった。証拠も仮説も何一つない、現時点では誰にも言えない、突発的な思い付き。  ”力”って、成長するものなんじゃあないの?  彼らの力か、怪異から発する化生の力か。  しかし、あるいは両方なのかもしれない。化生の現状はもちろんのこと、ミコの様子を(かんが)みても、シュウたちの成長ということは充分に仮定できる。  そう思った時、さらなる思い付きが、シュウを激しく襲った。  ならば、その両方とは同じものではないのか  それこそ、誰一人にも言えたものではない。  シュウは言葉を深く飲み込むことにした。
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