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寝ても醒めても。
四六時中。ほとんどずっと。
ロウはユイを腕に抱いて、固くしっかり繋がったまま注ぎ続けた。
上からも下からも。中からも外からも。
口移しで薬湯を飲ませ、傷口を清め、ユイの中に生気が戻るのを確認しながら。肌を貼り合わせ、手足を絡め、奥深くを柔らかく撫でて、些細な動きまで全て分かち合った。
もはや繋がっているのが自然で、ロウに溶け落ちるユイとの境界が分からない。別々の身体に生まれてきたけれど、本来ひとつだったのだ。ユイを欲し、ユイと繋がりたいと思うのは、自明の理と言える。ロウの女がユイしかありえないのは当然なのだ。
ロウが注ぎ続けたおかげで、ユイの容態は徐々に回復していった。
まだ傷跡は残るが、細胞が再生され内部組織は蘇生している。呼吸も顔色も安定し、危険な状態は脱したといえる。もう離れても大丈夫だろうが、ロウはユイを離せなかった。ただ寄り添って、体温を分け合って、愛しい温もりを胸に抱いていた。幼いころに戻ったように。
このまま時が止まればいいのに。
永遠にユイとこうしていたい。
「ユイ、…―――」
触れても触れても足りない。
艶やかに滑らかに色づくユイの肌に唇を這わせる。甘く柔らかく瑞々しく潤って、ロウを待って膨らみ、ロウを欲しがって溢れる。可愛すぎて焦らしたり、牙と爪で突いたりすると、
「や、…ぁっ、…――――――っ」
切羽詰まった甘い声を上げ、しなやかに腰をくねらせて、全身でロウを求めてくる。
もう何度も何度も突き入れて、すっかりロウに馴染んだユイの中を一気に奥まで貫くと、ユイは全身でロウにしがみつき、ロウをきつく締め付けて絶頂に達した。ユイの快感が伝播して、ロウの全身を熱い波が駆け抜ける。
「ユイ、…―――」
ユイの唇を割って舌を差し入れると、恍惚に喘ぎながら涙をいっぱいに溜めた琥珀色の瞳と目が合った。
あ、…
ユイが意識を取り戻した。
自分の置かれている状況に絶望的に戸惑っているであろうユイを優しく優しく抱きしめる。
「ユイ、大丈夫だから、…」
何をどう説明されても安心するはずがないが、これは治療行為だ。
許されないかもしれないが、いずれ納得はするだろう。
でも、ロウにとっては唯一の愛しい相手に向けた求愛行為だ。
ユイにしか感じない。ユイとしか出来ない。自分の全てを捧げる愛情行為。
戸惑いに揺れるユイの瞼を舐めて、髪を撫でて、唇を重ねる。
ロウに教え込まれて従順に作り替えられたユイの身体は、ロウの動きにつぶさに反応して快感に悶える。ロウを欲しがってあらゆる個所を濡らし、歓喜に泣きながらロウを乞う。切ないくらいきゅうきゅうに締め付けられて、ロウはユイの最奥で大きく爆ぜた。
また、ユイと混ざり合う、…
「…ロウ」
震えながらロウを呼び、全力でロウを抱きしめるユイから離れなければならないことを思うと、泣きたくなった。
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