Ⅵロウの章【相愛】

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ユイを五感で堪能しながら、何をいまさら恥ずかしがることがあるんだと思うが、恥じらうユイも可愛いので許す。ユイなら何でも許す。 「…わけないじゃん。白き人狼じゃん。ロウ、暗闇だってクリアに見えるんじゃん!」 ロウに触れられて可愛く鳴いていたユイが我に返って叫んだ。 …ばれた。 「いいだろ、俺、お前のこと全部見たい。俺しか見たことないとか最高」 正直にぶちまけて、探求を続ける。治療と称して散々見たし舐めたし繋がったが、ユイはいつでも新鮮で、ロウを甘く誘惑する。 滑らかな肌も窪みも頂も、ユイの身体はどこもかしこも味わい深い。柔らかな膨らみも漏れ出す声も涙に濡れる瞳も。何もかもがロウに刺さる。ロウの目も耳も舌触りも至高の喜びに震えて燃え上がる。 「でも、…カルナとナツナみたいに美しくないもん」 ロウに開かれて歓喜に潤う身体を甘やかにくねらせながら、ユイが困ったような怒ったような顔を見せる。 「カルナとナツナ、……?」 目の前のユイに夢中になりすぎて、彼女たちの名前がなぜ出てくるのか分からない。 「ロウは慣れてるし。最初からなんか上手だし」 ふてくされたようにユイが唇を尖らせるので、思わず吸い付いてしまう。いや、これは仕方がない。好きな女の無防備な唇を前に、キスしない男なんているか。 ていうか、もしかして、俺は今、褒められた? …んだろうか? 「や、…んっ、…ちょ、……ふぅ、…っ」 ロウの口の中で、ユイの唇と舌が可憐に舞う。張りのある唇がロウの侵入を許し、小さくて甘い舌がロウと絡まり合い、なぞり合い、混ざり合う。一つに繋がって互いに溶け落ちる。爆発しそうに気持ちいい。 今すぐユイの奥深くまで貫いてがんじがらめに繋がりたいような、焦らして鳴かせて欲しがらせたいような。相対する二つの欲望にはち切れそうな自身を押さえつけ、ユイの涙に舌を伸ばしてそっと舐めとる。 「で、番候補がどうした? 何が気になる? 言え。何でもしてやる」 ユイはロウとのキスで潤んだ瞳を瞬いて、 「ロウだけ上手でずるい。私もロウを気持ちよくしたい」 すねたようにつぶやいた。 な、… なんだそれ。可愛い。 ロウは思わず、ユイの首筋に噛み付いた。 「あ、…っ、ぁん―――…っ」 もちろん、快感を与えるだけの甘噛みだが。ユイが可愛い過ぎて抑えが効かない。 ロウを気持ちよく思ってくれるばかりか、ロウのことまで、…… なんだよそれ。可愛すぎて死ぬ。 「お前、俺を殺す気か」 「え、…な、…っ、あっ、…やぁ……っ」 ユイが好きな男は、人間の優男でも時空を超越する鹿王でもなく。 ロウなのだ。 にわかには信じられなかったけれど、本当にユイはロウが好きなのだ。 「…あっ、…あ、っああ…―――…っ」 そう思ったらどうにも止まれなくなって、ロウを待って甘く溢れ出すユイを一息に刺し貫いてしまった。
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