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ユイを五感で堪能しながら、何をいまさら恥ずかしがることがあるんだと思うが、恥じらうユイも可愛いので許す。ユイなら何でも許す。
「…わけないじゃん。白き人狼じゃん。ロウ、暗闇だってクリアに見えるんじゃん!」
ロウに触れられて可愛く鳴いていたユイが我に返って叫んだ。
…ばれた。
「いいだろ、俺、お前のこと全部見たい。俺しか見たことないとか最高」
正直にぶちまけて、探求を続ける。治療と称して散々見たし舐めたし繋がったが、ユイはいつでも新鮮で、ロウを甘く誘惑する。
滑らかな肌も窪みも頂も、ユイの身体はどこもかしこも味わい深い。柔らかな膨らみも漏れ出す声も涙に濡れる瞳も。何もかもがロウに刺さる。ロウの目も耳も舌触りも至高の喜びに震えて燃え上がる。
「でも、…カルナとナツナみたいに美しくないもん」
ロウに開かれて歓喜に潤う身体を甘やかにくねらせながら、ユイが困ったような怒ったような顔を見せる。
「カルナとナツナ、……?」
目の前のユイに夢中になりすぎて、彼女たちの名前がなぜ出てくるのか分からない。
「ロウは慣れてるし。最初からなんか上手だし」
ふてくされたようにユイが唇を尖らせるので、思わず吸い付いてしまう。いや、これは仕方がない。好きな女の無防備な唇を前に、キスしない男なんているか。
ていうか、もしかして、俺は今、褒められた? …んだろうか?
「や、…んっ、…ちょ、……ふぅ、…っ」
ロウの口の中で、ユイの唇と舌が可憐に舞う。張りのある唇がロウの侵入を許し、小さくて甘い舌がロウと絡まり合い、なぞり合い、混ざり合う。一つに繋がって互いに溶け落ちる。爆発しそうに気持ちいい。
今すぐユイの奥深くまで貫いてがんじがらめに繋がりたいような、焦らして鳴かせて欲しがらせたいような。相対する二つの欲望にはち切れそうな自身を押さえつけ、ユイの涙に舌を伸ばしてそっと舐めとる。
「で、番候補がどうした? 何が気になる? 言え。何でもしてやる」
ユイはロウとのキスで潤んだ瞳を瞬いて、
「ロウだけ上手でずるい。私もロウを気持ちよくしたい」
すねたようにつぶやいた。
な、…
なんだそれ。可愛い。
ロウは思わず、ユイの首筋に噛み付いた。
「あ、…っ、ぁん―――…っ」
もちろん、快感を与えるだけの甘噛みだが。ユイが可愛い過ぎて抑えが効かない。
ロウを気持ちよく思ってくれるばかりか、ロウのことまで、……
なんだよそれ。可愛すぎて死ぬ。
「お前、俺を殺す気か」
「え、…な、…っ、あっ、…やぁ……っ」
ユイが好きな男は、人間の優男でも時空を超越する鹿王でもなく。
ロウなのだ。
にわかには信じられなかったけれど、本当にユイはロウが好きなのだ。
「…あっ、…あ、っああ…―――…っ」
そう思ったらどうにも止まれなくなって、ロウを待って甘く溢れ出すユイを一息に刺し貫いてしまった。
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